2018年9月26日水曜日

噂のBCAA、味の素のアミノバイタルを飲んでみた。

最近、アミノバイタルを飲むと筋肉痛が起こりにくい、体の調子が良いなどといった噂をネットで知りました。以前から、体の怠さや筋肉痛が気になっていたので購入してみました。

いつ飲むのか
怠さや疲れを感じた時、運動や用事などで体を動かす機会の直前や直後、などに飲むようにしています。

飲んだ感想
実際に飲んでみると、体の怠さが緩和されて、なんとなく調子が良くなるのがわかります。疲れにくさや疲労の回復も以前に比べて良くなったと実感できました。
味付けはアセロラ風味で、甘酸っぱいです。飲んだ後はなぜか喉が渇くので、そこは改善していただけると、なお良いです。
今では飲まないと気が済まないほど愛用しています。これは買って良かったと思いました。

必須アミノ酸BCAA
体では作れないBCAAという必須アミノ酸が効果的というのが、この商品の謳い文句です。BCAAの効果の是非については、肯定論だけではなく、懐疑的、否定的な意見も見受けられますので、摂取については自己判断になります。持病が心配な方は、医者に相談することも考慮した方が無難でしょう。

顆粒とタブレットがある
今回は顆粒タイプを購入しました。極端な粉っぽさや溶けにくさはないのですが、むせてしまうことがありました。顆粒が入っているステックを喉に直接向けて傾けると、むせやすくなります。一旦、舌下に顆粒を流し込んで、唾液で湿らせてから、水などと一緒に飲み込みます。そうすると、むせにくくなりました。



次回はタブレットタイプを購入してみようかと思っています。

2018年9月25日火曜日

携帯用ウォシュレットとハンディトワレを使った感想。

携帯用ウォシュレットとハンディトワレを使った感想について投稿します。

TOTO 携帯用ウォシュレット

  • 使用感、印象
樹脂は抗菌樹脂とのことです。電池を入れる周辺は分厚い樹脂で覆われています。タンクの容量は大きい印象があります。タンク部分の樹脂は薄く柔らかい作りです。タンクを強く引っ張り過ぎると、本体から外れることがありますので、タンクを引き伸ばす時は、力加減に慣れる必要があります。一応、タンクが抜け外れないように、ストッパーとして突起がついているようですが、凹凸が低いので強力なストッパーではないです。
水を入れた状態でノズルを下に伸ばしたままにすると、水滴が垂れてくるので、ノズルを下に向けるときは、ノズルを折りたむ習慣をつけることが必要になります。それに慣れれば水漏れの心配はないです。
ずんぐりと大きいので、若干、持ち運びにはかさばります。収縮した状態でも、ポケットに入れるとズボンがずれ落ちそうになります。ゴムのズボンなら、ずり落ちてしまう程度の重さはあります。
モーター音が大きいので、近くの人には聞こえてしまうかもしれません。
水流の勢いは、ノズルカバーをずらして、ノズル孔の数を調整することで出来ます。強の水流にした場合、水流の勢いは強い当たりの感触があります。その反面、飛び散りもあります。たまに便座カバーに水が跳ね返ることが有ります。強い水流にもかかわらず、洗浄しきれない時があるので、洗浄力と水流の勢いのマッチングはいまいちと言わざるを得ません。水流が洗浄箇所を捉えきれていないのかもしれません。
スイッチは一箇所でON-OFFのみ。ゴムで覆われています。スイッチは突起状になっているので、視認しなくても指の感触でスイッチ操作をすることが出来ます。
  • 電池
電池は単三電池1個で、電圧は1.5Vです。電池交換の時、蓋を外しにくい印象があります。巾着袋に付属している樹脂製マイナスドライバーで回すと、蓋が浮き上がるように外れるのですが、指でつまめる程までは蓋が露出しないという欠点があります。なので、本体の電池を入れる側を下に向けて、トントンと叩くと蓋をつまめるまで露出させることが出来ます。この時、きちんと水滴を拭き取っていない場合、水が垂れてくるので注意が必要です。
  • お手入れ、メンテナンス
万が一、出先で使えないことが有ると大変なストレスです。出かける前は不具合がないか確認した方が無難です。
スイッチの突起がタンクの境目に隣接している箇所の通気性が悪く、特に夏は、スイッチのゴム付近にカビが生えやすいです。
タンクの蓋の裏には、凹凸があり、汚れや水垢が溜まりやすい印象があります。時々、柔らかいブラシ等で、付着した水垢や汚れを擦り落としたほうが良いでしょう。
長期間使用していると、電池の金属部分が錆びて来るので時々、電池のサビを拭き取る意識が必要です。錆が本体に広がる懸念があります。錆を放置すると接触が悪くなり、動きが鈍くなります。
  • 付属品
巾着袋。この巾着袋の付属は嬉しいです。本体を隠すことが出来ますからね。

パナソニック ハンディートワレ

  • 使用感、印象
全体的に剛性があります。樹脂が分厚く頑丈にできています。形は細長くて持ち運びやすいです。小さめの折り畳み傘を持ち歩く感覚に近いので、持ち歩いても変に目立たないと思います。折りたたんだ状態はスタイリッシュな見た目です。ズボンのポケットに忍ばせることもできる程のコンパクトサイズです。
付属のストラップも太めで頑丈です。
タンクが小さいため水の量に物足りなさを感じますが、その代り、ペットボトルを接続できる設計で、アダプターを使うとペットボトルと接続できます。ただし、ペットボトルを使う場合、ポンプの減圧でペットボトルが凹むので、できるだけ頑丈なペットボトルをおすすめします。モーター音はとても静かです。これで人に聞き耳を立てられても心配はありません。
カラーバリエーションも豊富で、男性向け、女性向けそれぞれのカラー展開がありました。
水流の勢いは、ハイ、ロウのボタンで調整することができます。スイッチを点けっぱなしていると自動的に電源オフになります。さらに、先端のノズルを交換することで水流調整が可能。穴の数が違うノズル付きです。
スイッチを押すと、数秒間は水流が弱く出ますので、意図しない洗浄個所ではない所を濡らしても、最小限でわずかな水濡れで済みます。安心して洗浄個所に水流を充てることができます。
本体を組み立てると長くなります。さらに、ノズルも長いため、洗浄部へ届きやすいです。後ろから洗浄する場合、体を大きく捻らなくても洗浄箇所を狙えます。水流の感触はとても滑らかなで重い当たりです。水流の跳ね返りや飛び散りは、とても少ない印象があります。洗浄力はしっかり有りますので、タンクの容量が少ない不安は、使用するとすぐに払拭されました。洗浄力は携帯用ウォシュレットを上回るでしょう。
ハンディトワレは使用後、タンクに本体を収納するので、タンクの内側は水滴で濡れています。スイッチがある本体側をタンク内に収納するので、スイッチ周辺が濡れてしまいます。これは問題ないのですが、問題は臭いです。この状態のまま、気温の高いところで保管すると、タンクの水滴が蒸発しタンク内が曇ってきます。蒸れるわけです。そして、高温のため、嫌な臭いを発します。これを防ぐために、保管するときは、風通しの良いところに、収納状態ではなく、本体とタンクを外して分けて、保管することをお勧めします。余裕のある時は、タンクの内側の水滴をふき取ることが望ましいと思います。
収納した状態
  • 電池
電池は単4電池を2つ使います。1.5Vが2個で電圧は3Vとパワフルです。
  • お手入れ、メンテナンス
本体は、表面の凸凹が少ないので、手入れをする際に拭きやすい。水滴を軽くさっと拭き取れます。
電池を入れる部分が水に浸かる構造なので、電池入れのキャップはしっかりと蓋を締めておかなければなりません。また、電池交換の際は水分をよく拭き取ってから行なうようにする注意が必要です。
  • 付属品
電池、ソフトノズル、ストラップ、ペットボトル用アダプター、取扱説明書。
ストラップ

ペットボトル用アダプター

ソフトノズル

単4乾電池2個

取扱説明書

まとめ
携帯用ウォシュレット、ハンディトワレの両方を使用してみて思うのはやはり、洗浄力が最も重要ではないかと言うことです。それに付随した、性能、メンテナンス、頑丈さなどを加味してもやはり、ハンディトワレの方が秀逸だと思いました。使い心地の良さは間違いなく、ハンディトワレです。携帯用ウォシュレットに戻りたい気持ちが沸かないのが正直なところです。

2018年9月8日土曜日

LED電球はPanasonicかな。とても満足しています。

白熱電球の消費電力の大きさを指摘する意見は、よく耳にします。省エネ、エコタイプの電球で今や当たり前になっているのが、LED電球です。消費電力が小さいにもかかわらず明るい、10年間交換不要、低価格化が要因となりLED電球が普及したと思われます。
省エネ、エコタイプの電球の先駆けと言えば、蛍光灯型電球でしょうか。あの長い蛍光管をらせん状、渦巻状にして、電球サイズにまで縮めた電球です。省エネタイプという言葉に踊らされ、買ってはみたものの、使用感はいまいちでした。

蛍光灯型電球について
  • 消費電力・・・白熱電球の5分の1。使ってみると、確かに電気代は下がりました。
  • 明るさ・・・照明のスイッチを入れてから明るく光るまで時間がかかります。早く明かりが欲しい時はイライラしてしまいます。特に冬は、明るくなるまで遅い印象があります。
また、蛍光灯型電球には、スパイラル型とボール型があります。それぞれ使った感想は、

スパイラル型

  • 見た目・・・蛍光管のらせん状態が剥き出しなので、見た目がソフトクリームみたいでダサい。交換後の違和感がすごい。
  • 明るい、だが、眩しい・・・蛍光灯型電球で明るさを重視するなら、スパイラル型になると思います。蛍光管が剥き出しなので、その分明るくなります。反面、目がチカチカして目の奥が痛くなるような独特の感覚がありました。目を閉じたくなると言った感じです。特に、電気スタンドのような体の近くで使う照明器具にこの電球を使った場合、目に負担がかかりました。
ボール型
  • 見た目・・・ボール型のカバーで蛍光管のらせん状態が見えません。見た目は白熱電球と同じで、交換しても違和感がありません。
  • ぼんやり明るい・・・ボール型カバーが仇となったのか、明るさに物足りなさを感じます。ぼんやり光るといった感じです。逆に、そのカバーのおかげで、スパイラル型よりは目がチカチカしません。
蛍光灯型電球の次に台頭してきたのがLED電球です。
  • 蛍光灯型電球よりも、さらに、消費電力を減らしたい。
  • 高価だが、新しいものに興味がある。
  • 蛍光灯型電球は目がチカチカして疲れる。
といった理由から、今度こそ快適な照明ライフの為にと、LED電球に交換することにしました。

LED電球
  • 電力消費・・・白熱電球の10分の1です。電気代が下がったかどうか、はっきり判断できませんでした。LED電球交換と時を同じくして大型家電を新しく買ったことが理由です。
  • 明るさ、光・・・蛍光灯型電球に比べて、スイッチを入れてからの反応が良い。すぐに明るくなる。スイッチを入れた瞬間に明るくなります。眩しさはありますが、不快な眩しさではありません。蛍光灯型電球の独特の嫌なチカチカ感はなく、目のだるさも感じません。
  • 熱・・・白熱電球ほど熱くなりません。
  • LED電球の寿命・・・LED電球の寿命は10年と言われています。
また、LED電球は、一方向(下方)型と全方位型があります。
  • 一方向(下方)型・・・初期のLED電球は、発光部分が120度程しかなく、居室全体を照らすには向いていませんでした。天井の照明器具に装着すると、真下ばかり明るくなります。例えば、トイレのような狭い空間、ピンポイントで照らす場合や、間接照明に向いています。
  • 全方位型・・・最近売り出されたタイプです。全方向タイプは発光部分が300度程あり、部屋全体を照らすことができ、従来品の照らす範囲が狭いという短所は克服されています。
LED電球にして良かった
部屋の雰囲気が良くなった・・・やはり、蛍光灯や白熱電球の光とLEDの光は全く別物です。家にある白熱電球をLED化するだけでも、随分と部屋の雰囲気が変わります。その魅力はずばり、斬新な明るさです。

Panasonicがおすすめ
初めて使うLEDに半信半疑でした。また、どのメーカーのLED電球がいいのかわからず、いくつかメーカーのLED電球を購入しました。
東芝、Panasonic、NECのLED電球を購入しました。この3社については、10年を経過した今でも故障はありません。
Panasonic
1番値段が高かったのはPanasonicなのですが、それに見合った性能や使い心地は一番です。
使っていて不満が起こらないPanasonicが1番のお気に入りです。
その理由は、
  • 強烈な明るさ・・・日当たりの悪い陰気臭い部屋が今風の斬新な光に照らされて、晴れやかな気分になります。
  • 見た目がかっこいい・・・特に放熱部分が滑らかで剛性感のある樹脂の風合が格好良い。
  • とにかく頑丈・・・現に10年前から使用しているPanasonicのLED電球は未だに切れる気配がありません。お風呂場とトイレという、人が頻繁に出入りする所でスイッチのオンオフも頻繁に行われる場所、また、湿気の多い環境であるにもかかわらず、10年を過ぎた今でも、明るく照らしている優れものです。
東芝
東芝は放熱を意識した形状です。
NEC
NECは、スイッチを入れて発光するまでの反応が若干遅いです。

Panasonicと比べて、東芝、NECの2社は光の指向性のパワーが弱い気がします。

家中の照明を全てLEDに変えたいが
我が家には高齢の家族がおり、なぜか白熱電球にこだわり、かたくなにLEDに交換することを拒否します。夏は居室が暑いとぼやきながら照明を消しています。「それなら、LEDにしたら?」と奨めるのですが。電気代が白熱電球の10分の1だと説明しても同様の返答です。白熱電球の寿命が終わるまで使い切りたいのか、ただただ意固地なのか、あのこだわりの真意はわかりません。どう言っても、交換をさせてくれません。
また、照明器具は電球だけではなく、丸型蛍光灯や直感蛍光灯もあるので、全ての照明をLED化するのは難しそうです。

LED電球を10年間使った感想、まとめ
  • 今までの照明器具をそのまま継続して使えた(我が家の場合)。
  • 寿命の10年が過ぎているが、未だに一度も電球交換せずに済んでいる。
  • クリアな明るさで、古い家具や居室の見栄えが良くなった。
  • 日当たりの悪い部屋の陰気臭い感じが無くなり、雰囲気が良くなった。
  • 白熱電球や蛍光灯型電球に戻りたい気持ちが全く沸かない。

2018年9月4日火曜日

車の運転からわかる、工夫と体力の限界。

体力や反射神経が落ちた
眼瞼下垂や脱力が続いて、数年間、車の運転が出来ない時期が有りました。運転自体が怖かった記憶があります。現在は、なんとか車の運転はできていますが、運転をしていると、重症筋無力症による長い療養生活だけではなく、加齢も伴い、体力や反射神経が明らかに落ちたことを痛感します。もうかつてのようには戻らないでしょう。

出掛けたいけど運転が怖い
お陰様で、最近は症状が良くなってきたことで服薬無しで日常生活を送ることができるようになりました。出掛けたいと自然に思えるようになりました。逆に、でかけたくないと感じる時は、体調が良くないときです。そう考えると、人間の感覚はよく出来ていると思います。体調が良くなると自然と外出欲求が湧いてきます。
運転の再開は簡単ではありませんでした。恐怖心で、交通の流れに乗ったスピードを出すことが出来ず、後続車に追いつかれては路肩に車を寄せて、通路を譲っていました。そういったことを何度も繰り返しながら徐々に運転の感覚を取り戻していったという感じです。重症筋無力症で運転から遠ざかっていたことは、想像以上に体の感覚や運転の感覚が鈍っていたのです。どんなに頑張っても、重症筋無力症以前のような運転は出来ません。ですから、車の運転は最小限にとどめています。

もう車を捨てよう
できれば車の運転はやりたくないので、家族に運転を頼むと、
「普通車は運転できない」
とか、
「街の運転は出来ない」
と、言われて断られます。公共交通機関での移動を考えましたが、

  • 路線バスの本数が少ない
  • 待ち時間に耐えられない
  • 最寄りの駅まで遠くて、最寄りでもなんでもない

といった不都合があり、自分の車が無くてはならない状況、車を手放すことは難しい地域でした。症状が良くなったとはいえ、眼球固定、上下肢の脱力、易疲労性は無くなったわけではありません。今でも車の運転は怖いのですが、必要に迫られますので、いろいろ工夫をしながら運転をしています。

運転に関わる苦痛

  • 車線変更・・・右目の眼球が動きが鈍いので、本線との合流、車線変更には特に神経を使います。首を右に振ることで視認を補うようにしています。
  • 駐車・・・昔はバックで駐車しなければ気が済まない程の性格でしたが、重症筋無力症になって以来、バックで駐車する時は体を後ろ向きにねじり、視点が定まるまでの時間がかかるようになりました。僅かな感覚の衰えですが、運転では早い判断が求められるので、今では、駐車をする時はほとんど頭から突っ込んで停めています。また、接触事故を避けるため、できるだけ他の車がいない場所に駐車します。

他人事ではないペダル踏み間違え事故
最近はアクセルとブレーキを間違えて事故を起こすニュースを耳にします。ニュースでは高齢者によるペダル操作ミスを取り上げることが多いようですが、このミスは年齢に限ったこととは思えません。
高齢者の事故では、逆走事故も取り上げられています。私も過去に何度か逆走車に遭遇したことが有ります。運転者が高齢者かどうかは確認できませんでしたが、迷った様子もなくこちらに逆走してくる車を思い出すと今でも恐ろしくなります。
ミッション車のペダルの踏み間違え事故は、オートマチック車に比べてほぼ聞きませんが、この事故はミッション車かオートマチック車かで分けない方がいいと考えています。現代では、オートマチック車の方が多く乗られているからです。私は古いミッション車を運転していますが、「これはブレーキだったっけ?アクセルだったっけ?」と、アクセルとブレーキがどちらなのか混乱することがあります(あってはならないことですが)。おそらくペダルを意識しすぎることで混乱しているのではないかと思います。
これに似たことが他の場面でもたまにあります。ある単語をじっと見ていると、本当にそうなのかと思ってしまうことです。例えば、「みかん」というひらがな文字をじっと見ていると、本当にこの表記だったかなと不安に陥っていしまうことがあります。いわゆる、ゲシュタルト崩壊です。
足裏の感触が鈍くなる底が分厚い靴は、そういう意識によって感覚を補おうとしてしまうので、できるだけ感触を得やすい靴を選んで運転しています。考えるより感じるといったところでしょうか。
今、挙げるだけでも、
  • 高齢による判断力の低下
  • 考えすぎによる混乱
  • 足裏の感度の低下
などが考えられますが、実際のところ、アクセルとブレーキを踏み間違う事故の原因は未だにはっきりしない印象があります。

運転の苦労の軽減を図る
  • 補助ミラー・・・首の後ろや眼球が重く使いにくい時があり、特に車線変更の時に恐怖を感じます。ドアミラーの死角を目視する時は首を右に振り向けて死角を目視、確認してから車線変更をします。この動作の軽減のために、カーショップで購入した補助ミラーを装着してみましたが、これは効果の程はわかりません。ミラーが小さすぎて右後方の死角を視認できません。返って、ドアミラーの写す範囲が狭くなっただけだと思ったので、すぐに外しました。やはり、首を右に振る目視以外に死角を補う方法がありません。
  • ゴム付き軍手・・・少しでもハンドル操作が軽快になればと思い、滑り止めのゴムでコーティングされた軍手をはめて運転をすることもありましたが、夏場は暑くて手が汗だらけになったり、手にゴムの匂いが着いて不快だったりと、いまいちでした。
  • ハンドルカバー・・・腕の脱力が現れるとハンドルが重く感じることがあります。腕のコントロールがうまくいかなくなったので、ハンドルを握る手の力がいつの間にか緩くなり、スッポ抜けることもありました。以前は片手で運転することもありましたが、今は怖くて出来ません。ハンドルカバーを装着することにしました。カーショップに行けば沢山の種類のカバーが有ります。私はグリップを太くして滑りにくいハンドルにしたかったので、ゴムの凹凸グリップが付いたハンドルカバーを装着しました。これを装着するだけでハンドル操作は随分楽になりました。
  • ハンドルスピンナー・・・フォークリフトなどについている、ハンドルをくるくる回すためのグリップです。大きくハンドルを切る操作が簡単にできます。
  • スポーツインナー・・・アクセルやクラッチ操作の際は足がだるく感じることや攣(つ)りそうになることがあります。脱力症状で運転の危険を感じた時は、すぐに休憩を取るようにしています。道の駅で休憩をしたり、交通量の少ない路肩に車を寄せて停車します。脱力から復活できるまで、足のストレッチやマッサージを自分で行ない体力が戻るのを待ちます。そういったことが起こりにくくするために、運転時の足の負担を軽減するために、市販のソフトテーピング靴下を必ず履くようにしています。これを履くことでつま先を上げやすくなります。アクセル操作とブレーキ操作が機敏にできるようになります。このようなスポーツインナー(筋肉を補強する靴下や下着)を着けると、僅かな効果ではありますが、疲れを軽減できます。短所として、加圧で体を締め付けるので、長時間の着用は向いていません。外出がから帰宅すると、リラックスできる締め付けの緩い衣服にすぐに着替えます。
  • 大きな国道は避ける・・・国道は大型車や排気量の大きい自動車が結構な速度で通行していますので、ほとんど使用しません。速度が上がるとその分、運転動作や判断、危険認知などを速くしなければならず、身体的精神的に疲弊してしまいます。高速道路に至っては、重症筋無力症になって通行したのは2度だけです。高速道路は、信号機や歩行者が居ないとは言え、私にとっては怖いです。どうしても必要に迫られたので通行しましたが、殆どの場合は、一車線の県道を使います。広々と快適な通行ができるわけでもなく、自転車や歩行者はいますし、目的地まで時間がかかりますが、なにより、速度を出さなくて済むのということ、ドラッグストア、レストラン、スーパーマーケット、コンビニなど、駐車スペースがある店が比較的多いので、何かあった時に退避しやすいのです。国道で運転はしない、するとしても必要最低限の近距離までといった方法をとっています。
  • 出掛ける時間帯、タイミングを考える・・・重症筋無力症における目の症状は、眼瞼下垂、眼球固定だけでなく、眩しさを感じるという症状があります。印象の薄い症状ですが、運転時の視認は眩しさとの折り合いといっても過言ではないでしょう。太陽の光が眩しいので日中の運転は、サングラスは必須です。さらに、西日に向かって運転すると、ほとんど前が見えなくなります。信号の色も確認できないほど西日がきつい時もあり、恐怖を覚えます。基本的に、そういったことが予測できる時間帯の運転は、避けれるだけ避けます。運転は諦めて、日没後、完全に夜になってからの運転のほうが気が楽です。夜間でも対向車のヘッドライトも眩しくて、辛い時があります。暗順応と明順応という言葉を自動車教習所で習うかと思いますが、この順応の時間が罹患前よりもかかるような気がします。加齢が原因かもしれませんが、ヘッドライトの光を直視しなくともかなり眩しく感じます。ですから、対向車が少ない時間帯、例えば、週始めの月曜や火曜日の夜間などに出かけることで、日光の眩しさと対向車のヘッドライトの眩しさの両方を避けて運転するという方法をとっていました。しかし、近所から「あの人はなんで夜に出かけているんだ?」と、奇異な目で見られるのではと疑心暗鬼になります。隣近所にその理由を説明をしたところで、伝わるわけでもなく、ひたすら、そっとしておいて欲しい、こっちを気にしないで欲しい、構わないでくれ、という精神衛生上よろしくない状態に陥ります。さらに問題があります。ご承知の通り、重症筋無力症は夕方から疲れが出やすいので、今度はそちらとの折り合いが付けられなくなります。安全運転と脱力症状の折り合いが難しくなるのです。
このように、運転は、体調だけでなく、混雑の時間帯を避けながら、タイミングを計るという、神経質な状態にならざるを得ないものになってしまいました。趣味だったドライブが面倒な存在へと変わりました。

もういい、もう充分頑張った
  • 工夫しても運転が楽にできない・・・今まで、補助ミラーや滑りにくいハンドルカバー、ハンドル操作を楽にするハンドルスピンナーなど、自分なりに努力はしてみたものの、運転の苦労を克服するに至りませんでした。いろんな(気休めに近い)策を講じてきましたが、正直なところ、これ以上は楽しく快適な運転は望めないと思っています。
  • 体調改善も頭打ち・・・罹患して10年以上経った今でも、眼球の動きが鈍くなったり、体がだるくなったり、疲れやすい、という状態は現れます。体力の温存、維持の工夫もいろいろ講じてきましたが、これ以上の体力の増強や好転は見込めないし、重症筋無力症独特の身体的違和感を完全に排除、駆逐することは出来ない―、と判断しました。
視点を変える。これからは、積極的な新技術の導入
学生時代は毎日往復30Kmの道のりを自転車で通学していました。地理的に不利な環境を何度恨んだことか・・・。大人になり自動車の運転免許を取得し、初めて車で移動したあの時の感動は、今でも忘れられません。以来、運転は大好きでドライブが趣味でした。本当にいろいろなところへドライブしました。重症筋無力症になってからは、そんな趣味も失ってしまいました。
最近では自動運転システム、自動歩行者検知システム、といったAI技術を導入した自動車が販売されていて、とても関心を持っています。眼瞼下垂、眼球固定、四肢の脱力は、経験から培った運転の感覚を根こそぎ無化させます。こういったシステムに積極的に頼るのは自然な流れだと考えています。これらのシステムは、難病者の為の技術ではありませんが、健常者と障害者の間に存在する私にとっては、運転の心労や身体的疲労を軽減してくれるだけでなく、再び、趣味のドライブを楽しむことができるのではないかと思わせてくれる、興味深い技術です。
AI、人工知能といった技術を自動車や家電などの従来のインフラに導入していくということは、我々罹患者にとっては、医療行為を受けることと同じくらい重要ではないかと思うのです。実際に、今こうやって、インターネットを使う情報の収集、共有は、一昔前では不可能だったことですから。今後の積極的な新技術の導入が生活を豊かにしてくれると信じています。

さらば地球
また、疲労感の根源を考えると、確かに体を動かすことなのですが、もっと深く考えると、地球の重力が疲労に関係しているとも言えます。例えば、運転では両手でハンドルを握ります。この姿勢を保持しているとだんだん腕がだるくなります。これが、無重力空間で同様の姿勢保持を試みた場合、地上と同じような疲労感になるのでしょうか?もしかしたら、重症筋無力症罹患者にとって無重力状態は好都合ではないかとさえ期待してしまうのです。逆らう重力が無いのですから、疲労感は違ってくるのではないでしょうか。無重力空間、宇宙空間での生活、いっそ宇宙に行くことを考えることも有りの時代ではないでしょうか。

2018年9月3日月曜日

家中のリモコンを一つにまとめる、SONYの学習リモコン。

皆さんは学習リモコンというものをご存知でしょうか?
何年か前に、アメトークの家電芸人で、紹介されていた商品です。秀逸な性能が反響を呼び、ネット上でも数多く取り上げられています。
これは、テレビ、DVDプレーヤー、エアコン、扇風機、照明器具といった、リモコンの挙動を記録することができるリモコンです。複数台のリモコンの挙動をこれ1台に記録することも出来ます。簡単に言えば、家中のリモコンを一つにまとめることができる、リモコンです。たくさんのリモコンが散乱し、リモコンを探し回る手間も省くことが出来ます。

RM-PLZ430Dでも充分快適
今回は、私が愛用している、SONYの学習リモコン、「RM-PLZ430D」について投稿します。

これは何年か前の機種で、記憶できるリモコン台数は5台まですが、便利さの恩恵は充分に受けています。現在では、新しく後継機種が販売されており、8台のリモコンを記録することが可能とのことです。家電量販店でその後継機種を見たことがありますが、操作パネルのボタンの配置や性能は、「RM-PLZ430D」とほとんど変わっていないようでした。

マクロで古い家電もごきげんに
また、連続するリモコン操作をまとめて自動化できる、「マクロ機能」がついています。例えば、ボタンを一つ押すだけで、エアコン、照明、テレビの電源をいっきに入れる事もできます。役目が異なる家電を滞りのなく連続して操作ができるのは、マクロ機能の大きな特徴です。我が家の古い家電がいっきに動き出す様子は、痛快です。このように、学習リモコンは、古い家電に新たな楽しみを与えてくれるので、「家電の買い替えはもう少し先でも良いかな。」と、思わせてくれる、優れたリモコンだと思います。

リモコン送信部が3つもある、「ズバとびっ!」
また、このSONYの学習リモコンは、リモコン電波がとても強いです。家電の方向に身体くねらせることなく、リモコン操作が可能になります。リモコンの反応が良くなるので、壁や家具の反射を利用して、家電のリモコン操作が可能になります。これは、強力広角発光「ズバとびっ!」という機能で、純正の家電リモコンよりも電波がよく飛びます。スマホカメラでリモコン送信部を見ると、リモコン送信部が3つあるのが確認できます。一般的なリモコンはこの送信部が1つです。やはり、反応がいいリモコンは使っていて気分がいいです。

汚れにくい、うつ伏せ置き
パネルを下向きに置くことができるので、ボタンとボタンの間に埃が貯まるのを防ぐことが出来ます。
羊かんのように見えますが、リモコンです。このように、パネルをうつ伏せで置くことが出来ます。これで、ボタンとボタンの間に埃がたまるのを防ぎます。ボタンは接地面に触れないので、操作面が傷まない親切設計です。

便利なので、是非
「ズバとびっ!」、「マクロ機能」は、体が動かしにくい重症筋無力症の私にとっては、本当に嬉しい機能です。家電量販店に売っていますので、煩雑な家電のリモコン操作をすっきりさせたいと思われる方は是非、検討されてみてはどうでしょうか。

【参考リンク】

2018年9月2日日曜日

スマホのフルセグ機能を目一杯使う工夫。

スマホは充電しながら使っても良いのか。
充電をしながらのスマホの使用は、しないほうが良いというイメージが強いのではないでしょうか。スマホの機能に、フルセグTVがついているタイプがありますが、視聴や録画が長時間になる場合、充電しながら視聴したいと思ってしまいます。実は過去にスマホを充電しながら長時間フルセグ機能を使っているとバッテリーが熱くなり、バッテリーが焼いたお餅のように膨張して、スマホが故障した経験があります。それ以来、少々トラウマになっています。ですから、スマホに長時間の録画をする場合、充電しながら使用したいと思うのですが、二の足を踏んでしまいます。基本的に、充電しながら使うのは、避けたけたほうが無難だとしているサイトのほうが多いような気がします。バッテリー不足で録画が出来ないことがわかると、録画は途中で諦めます。最近では、よほどのことがない限り、スマホのフルセグ機能を使うことはなくなりました。今では、宝の持ち腐れになっています。
スマホを充電しながら使うと行為の是非は昔からあり、決定的で説得力のある結論がなく、未だにどちらが正しいのかわからないままです。
バッテリーの持ちを考えると、フルセグ機能は1時間程度しか実質は使えません。スマホバッテリーの正しい扱い方がわからないので、バッテリーについては、これ以上、追求しないでおきます。はっきりとした情報が出てくるまで、充電しながらの使用はしないようにしています。

アンテナの感度が不安定。
もう一つ気になることがあります。それは、アンテナの感度についてです。スマホのテレビアンテナの感度はイマイチです。家電量販店などにはスマホのテレビ用アンテナを売っているのを見かけます。快適にスマホのフルセグテレビを見たいと思い、さっそく購入してみました。しかし、多少改善は見られたものの、やはり電波受信の不安定さは解消できませんでした。ワンセグの場合は不安定ではありませんが、迫力のある綺麗なフルセグ映像は快適に見ることが出来ませんでしたので、購入した意味は感じられませんでした。
今一度、改善を図ることにしました。

自作アンテナケーブル+サウンドアバウトで快適に。
スマホのテレビアンテナについていろいろと調べてみると、マイクやイヤフォンのケーブルをアンテナケーブルに改造するというコンテンツがありました。
それを参考に、スマホの直付けアンテナケーブルを自作しました。

用意するもの
  • アンテナプラグ
  • ミニプラグ(3,5mmのプラグ)のケーブル・・・今回は、壊れて放置していたパソコンマイクのケーブルを使用
  • ラジオペンチ
  • ハンダ、ハンダごて・・・あればなお良い
です。
マイクケーブルの外側樹脂カバーにカッターナイフで薄っすら切れ目を入れ、金属線を剥き出しにします。中心の線を適度に剥き出し、外側の網状の線をめくりあげます。
その線をアンテナプラグにラジオペンチで締めて圧着すれば、アンテナケーブルは完成です。接触不良が気になる場合、はんだ付けします。



この自作アンテナケーブルを、居室の壁側にある、アンテナ差し込み口に差し込み、もう一方の3極プラグをスマホのイヤフォンジャック用の穴に差し込むことで、スマホに安定して電波を供給できるようになります。テレビのケーブルを3極プラグに変換することができれば、有線直結でスマホへ電波の供給が可能になります。自作が出来ない方は市販されていますのでそちらを買った方が早いし、安心でしょう。
しかし、このままでは音が出ません。イヤフォンジャックにケーブルを差し込むことで、スマホはイヤフォンが差し込まれたと認識してしまう為です。この現象を回避する為に、アンドロイドアプリのサウンドアバウトを使います。このアプリは、スマホに差し込まれたアンテナケーブルをイヤフォンと自動誤認することを、設定操作画面から解除し、スピーカーからフルセグテレビの音を出力することが出来ます。


自作アンテナケーブルとサウンドアバウトというアプリを組み合わせることで、普通のテレビと遜色ない、スマホテレビの完成です。これで、快適に楽しめるようになりました。
あとは充電しながら視聴できれば完璧なのですが、こうなるとポータブルテレビをした方が早いですね。

【参考リンク】

重症筋無力症で人生が膠着していることを恩人には知られたくない。

残業で深夜に小腹が空くと、休憩がてら、会社から歩いて数分のところにあった店に行き、円盤型の箱の6個入りチーズ買っていました。その隣には24時間空いているコインランドリーが有り、漆黒の闇を照らしていました。そこの明かりに群がる虫のように、同僚数人と誰もいないコインランドリーのベンチに座り、6個入りのチーズを分け合って食べていました。飲み物は眠気覚ましに缶コーヒーを飲むのが常でした。チーズを食べ終えると重い腰を上げ再び仕事に戻っていました。この店は、深夜までサービス残業に追われた私にとって、オアシスでした。

郷愁のある良い店
深夜に限らず、会社の昼休みにも、ちょくちょく通っていました。その店は、駄菓子、本、日用品、食料品を取り扱う、お店でした。その店は当時でも古い外観で、自宅の1階部分の土間を改造したような、昔よく見た木造の駄菓子屋そのものといった外観でした。映画で言うと、『三丁目の夕日』、『寅さん』に出てくるような昭和の雰囲気がそのまま残る店でした。店は、高齢の女性とその息子さんが二人で切り盛りしているお店でした。おそらく、親子二人だけだと思います。
当時の私は社会人駆け出しで20代前半、高齢の女性は70歳代くらい、息子さんは40代後半~50代に見えていましたので、今ご存命なら、お二人ともかなり高齢でしょう。店番する息子さんを、「おじさん」、高齢の女性のことを、「おばあさん」と私達は呼んでいました。

必死で商売をしていることに気づけなかった
深夜の残業の合間に買い物に行き、私が、
「こんな遅くまで、大変ですね。」
と話しかけると、おじさん(息子さん)は、
「全然(平気だよ)。若い頃は、12時過ぎても店を開けてたよ。」
と少し誇らしげに言っていました。
営業時間は朝7時から深夜23時まで。当時は、コンビニが乱立し始めていた時代で、そういった、押し寄せるグローバリズムの流れに逆らうかのような、鬼気迫る頑固な経営姿勢は感じるものの、人情味が溢れて人当たりの柔らかい雰囲気に好感が持てる店でした。
おじさんは、冗談をよく言う気さくな人でした。例えば、合計で500円の商品を買うと、「全部で500万円ね!!」
と冗談を言い、私もよく笑っていました。これは毎回、お決まりのやり取りです。つまらないと思われるかもしれませんが、張り詰めて仕事をしていた私にとっては、一瞬気の休まる、心地の良いやり取りでした。
日中はおばあさん、早朝と夜は息子さん、が店番をしていました。
おばあさんは、ガラスのショーケースの前に椅子を置き、そこにちょこんと座り、店番をしていました。昼休みに菓子パンなどを買うといつも、10円とか20円、安くしてくれました。例えば、120円のパンを買うと、おばあさんは、
「100円でいいよ。」
と言ってくれました。
「本当に100円でいいの?!おばあさん?」
と聞いても、
「いいよ(どうってことねーよ)。」
といった感じで、妙に粋なおばあさんでした。こちらから値引きを催促したことはありません。当時、毎日ギリギリの生活で苦しかった私は、すごく嬉しかったのを覚えています。だんだん私は、菓子パンを安くしてもらえることに甘えて、気安くパンを買いに行っていました。「今日も負けてくれるかなあ。」と、期待しながら。一緒に店に行っていた同僚も、よく負けてもらっていました。ある日、いつものように同僚とその店に行こうとすると同僚の一人が、「もう安くしてもらうのはやめよう。」と言ってきました。理由を聞くと、おばあさんと息子さんが口喧嘩しているのを聞いたと言うのです。おばあさんが、私達の買う菓子パンを値引きしたことを、息子さんが叱責していたとのこと。
「なんで、安く売るんだよ?! 1円でも儲けなきゃ駄目だろ?!わかってんのか?、おふくろ!」
「客に変な癖を付けちゃ駄目だろっ!!」
といった怒りの叱責だったそうです。それを聞いて、あの気さくでおもしろいおじさんがそこまでシビアなことを言っていたなんて・・・と、思うと伴に、おばあさんに申し訳なくなり、今まで安く売ってもらっていたことに、ものすごく罪悪感を覚えました。それ以来、おばあさんが店番をしている時は、そのお店を避けるようにし、おじさんが店番をしている時だけ、恐縮した気持ちで買い物をするようになりました。おじさんも私達のそういった微妙な変化を感じ取ったのか、どこかお互いにギクシャクした買い物になったのを覚えています。
今考えれば、おじさんの思いは当然のことだとよく分かります。ですが、若かった私達は自分本位で、お店のことなど考えていなかったのです。

この場でお礼を言います
よくテレビ番組で、世話になった人にお礼を言いに行くとった企画があります。例えば、芸人が鳴かず飛ばずの自分を世話してくれた人にお礼を言いに行く、といった企画です。当時、売れなかった芸人を世話した人も、成功した芸人を見て誇らしい気持ちになり、今後の活躍や再会を誓って別れて、番組は終わります。
成功した人は、そうやってお世話になった人に、面と向かってお礼を言えますが、私のように、鳴かず飛ばずのままで何かに成功しているわけでもなく、重症筋無力症で膠着状態が継続している自分を、お世話になった恩人である、店のおじさんとおばあさんに見せるのは気が引けます。店のおじさんとおばあさんには、
「あの時はありがとうございました。何も恩返しできなくてすみません。」
と、この場で言うことしか出来ません。