2018年8月29日水曜日

嚥下咀嚼対策は必要だがつまらない。

通年、主に食べているものは、お粥、麺類全般、卵、納豆、豆腐、粘り気のある野菜です。夏は、素麺やオクラを食べることが多いです。
  • 素麺・・・茹で時間は普通、2~3分ですが、5分くらいは茹でて、麺を柔らかくします。こしがなくなり、美味しくはありません。めんつゆと卵黄を絡めて食べます。
  • オクラ・・・トゲに注意しないと喉にチクリときます。滑らかに嚥下をする為にオクラを食べているのに、喉にトゲが刺さったら意味がないですから。表面はしっかりと塩もみをして、トゲを取ります。まな板に塩をまきオクラをコロコロと転がせば大まかなトゲは除去できます。残った部分は手で塩を擦り付けてトゲを除去します。細く切って納豆と混ぜたりします。
  • モロヘイヤ・・・最近は食べていないですが、同じくネバトロ野菜です。葉は硬い感触です。葉の葉脈、茎も硬いのでこれも気をつけて調理しないと不快な食感になります。
  • 山芋・・・すりおろして食べます。皮を向く時に掴んだ感触がチクチクします。すりおろした山芋と卵黄に醤油を垂らし、ご飯にかけると美味しくて食べやすいです。
これらのネバトロ食感の野菜はなぜか、外側が刺々しい印象があります。
そして、
  • お粥・・・むせにくいだけではなく、体があたたまる食べ物なので、肌寒い時や冬にはよく食べます。ただ、猛暑日にお粥はきついです。
  • 豆腐・・・夏は冷や奴でよく食べます。箸ではなく小さいスプーンで食べるので食べやすさが気に入っています。
柔らかいものばかり、もう飽きた
さて、こういった汁気が多く柔らかい食べ物や、ネバネバ食材を食べることが多いのですが、やはり、飽きてきます。たまには、乾燥した食べ物や硬いものといった噛みごたえのあるものを食べたくなります。

時々食べる噛みごたえのある食べ物
  • ポテトチップス・・・胸腺摘出手術で入院中、手術までに期間があったので食べていました。もちろん、術後はまともに動けないで食べていません。病院食は塩分や量が物足らないので、売店でコーラとポテトチップスを買い、喫茶コーナーでひっそりと食べていました。その時のポテチとコーラの味が忘れられないのか、今では大好きなスナック菓子です。
  • 大豆・・・ガリガリと大豆を食べると美味いのですが、油分が少なくて薄皮が多いので、喉に引っ掛かった感触がしばらく残ります。
  • ナッツ類・・・くるみ、アーモンド、ピーナッツ、ピスタチオなどがありますが、大豆に比べると飲み込みやすい気がします。大豆より油分が多いのか、噛み砕くとねっとりしてくるので、喉の残留異物感は大豆ほどありませんが、ゼロではありません。
  • 牛肉・・・特にステーキを腹一杯食べたいと思うことがあります。不思議と無性に食べたくなる肉は、牛肉だけです。
  • ガム・・・柔らかいものばかり食べていると、噛みたい衝動に駆られるのでしょうか、先日はチューインガムを食べたくなり、久しぶりに食べました。最近は柔らかいものばかり食べているから、これで顎が鍛えられる、それに唾液が出るから胃腸にも良いはず―、と鼻息荒くガムを噛んでいたところ、奥歯の詰め物が外れてしまいました。鏡で確認すると、奥歯に大きな穴が空いており、口から息を吸っただけで激しく痛みました。激しい痛みに耐えかねて歯医者に駆け込みました。詰め物を新調するために、レントゲン、虫歯の治療、歯型の作成をし、最後に金属の詰め物を流し込みました。治療過程で、他の歯の虫歯の存在を指摘され、結局6本の歯を治療することとなりました。服薬はしていないものの、局所とはいえ、麻酔を使った治療は心配でしたが、無事に治療を終えることができました。結局2週間程、歯医者に通う羽目になりました。しばらく食べていないものを口にする時は気をつけないといけません。
食べるのが怖いもの
  • きな粉をまぶしたお餅・・・怖くて食べられません。顎のだるさ、むせ、喉に詰まるという、3つの恐怖感があるからです。正月など、お餅を食べる時は、手指の爪くらいの大きさまで小さく切ってから食べていますが、緊張を強いられます。もち米系の食べ物はぬれ煎餅か小さめのおかきなら、食べることができます。
  • うまい棒、ハッピーターン・・・水分がなくて粉っぽい食べ物はめっきり食べなくなりました。昔は好きでよく食べていましたが、うまい棒やハッピーターンは食べる気が起こりません。むせるのを避けられない気がします。蛇足ですが、ハッピーターンの粉ってなんであんなに美味いんでしょうね。
嚥下咀嚼対策はつまらない
食事の嚥下咀嚼対策としては、具材をみじん切りにしています。これだけでも食事が随分と楽にできます。
食事は、
  • 小さな具材
  • とろみ
  • 腹六部
が基本といったところでしょうか。必要なことですが、実につまらない食事です。その代り、彩りや盛り付けなどの見た目、香りを強めにするという工夫は意識しています。もっと言えば、食器も材質や見た目が良いもの、例えば、風合いや感触が心地良いもの、スプーンや箸が当たった時の音が良いものにするのが理想ですが、良い食器は値段も良いので、なかなか手が出ません。
また、最近の自身の食生活を振り返ると、和食の基本と言われる、一汁三菜とは程遠い食事です。残念ですが、事実です。

食事は自由にしたい
重症筋無力症との生活において、食事に注意を払うのは必要ですが、これだけ長期間に及ぶと、精神的に疲れます。何も気にせず自由に食事ができれば―、と思うばかりです。
さて、米国のMyasthenia Gravis Newsというサイトで、重症筋無力症罹患者の食事について少し驚いた記事を見つけましたので、以下、引用します。
Avoiding hot foods or warm liquids that can relax the throat muscles
以下、和訳します。
喉の筋肉をリラックスできる熱い食品や温かい液体を避ける
このサイトによると、熱い食品や温かい液体(私は飲み物と解釈します)は喉の筋肉を緩めてしまう―、と述べているようです。確かに一理あると納得してしまいました。しかし、熱い食べ物や温かい飲み物は体に良いと考えるのが、日本人の大多数の感覚ではないでしょうか。長年、嚥下や咀嚼へ注意を払っていますが、熱い食べ物や温かい飲み物を避けるという概念を持ったことがありません。まさにこれから、おでん、水炊き、肉まんなど、あつあつで美味しい食べ物の季節に向かっていくわけですし―。季節に限らず、日本には年中、熱くて美味しい食べ物はたくさんあります。
文化や慣習が違う人達のいろんな考えに触れ、自分の考えを見直すことは、多角的な視点を養う意味で大事なことです。なので、この記事による指摘は留意しておきますが、実践は難しそうです。
食事への注意と自由のジレンマは、生きている以上、これからも続くでしょう。ですから、考え過ぎないようにします。

【引用元リンク】
Avoiding hot foods or warm liquids that can relax the throat muscles
【参考リンク】
Myasthenia Gravis News